【取材レポート 場外編】
大阪中之島美術館
「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」
アートザウルスがチェック!まだまだ見逃せない!!
絵画、広告、ファッション、インテリア…生活に広がるシュルレアリスムを観てきましたが、ここではアートザウルスがピックアップしたクローズアップをご紹介します。
ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ『アンダルシアの犬』

参考出品 ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ《アンダルシアの犬》1929年公開 映像提供:神戸映画資料館
シュルレアリスムが現代に最も影響を及ぼしたのは、映像分野かもしれません。
展覧会第一会場と第二会場の連絡路で上映されていたのは、ダリと映画監督のルイス・ブニュエルが共作した《アンダルシアの犬》。
ダリとブニュエルの頭に浮かんだイメージを何の脈絡もなくつないだそうで、ストーリーらしきものは無し!
R指定なシーンの連発だけど、シュルレアリスムを語るうえでとても重要な映像作品。
キューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』、リンチの『ブルーベルベット』など、錚々たる映画作品の元ネタでは?と噂されるカットがあちこちに散りばめられています。
後の映画界への影響力の大きさを認めざるを得ない短編です。くれぐれもお見逃しなく。
マルセル・デュシャン『トランクの中の箱』
撮影不可により画像は掲載できませんが、マルセル・デュシャンの『トランクの中の箱』もぜひご覧いただきたい。
目立つ展示ではないのでつい通り過ぎてしまいそうだけど、この作品は刮目すべし!
サインを書き入れた既製品の便器を展覧会に出品するなど「芸術」の概念を壊し、「現代アートの父」と称されるデュシャン。
小さなトランクの中にはデュシャン作品のミニチュア・レプリカ、写真、複製画がぎっしり。
つまり「持ち運べるデュシャン美術館」なんです。
発想そのものがシュルレアリスムです。
グッズも注目!展示会場を出てもシュルレアリスム

特設ショップで存在感を放つダリのTシャツ
本展でも大活躍!シュルレアリスム界のスーパースター、サルバドール・ダリ。
彼は政治的思想や商業主義的行動のためシュルレアリスム・グループから除名されてしまいます。
しかし本人は「シュルレアリスムは私だ」と主張し作品を創作し続けました。
いたずらっ子のような、ダリらしさ満点のTシャツ。いい出来だと思いません?

ヤノベケンジ《ジャイアント・トらやん》
暁の中之島に現れたのは、悪の組織の巨大ロボット?
いえこれは会場前のホワイエに常設されている「ジャイアント・トらやん」。
じゅうぶん日本版シュルレアリスムだと思いますはい。

美術館吹き抜けのロビー
帰り際に振り返ったのが、美術館の印象的な吹き抜けロビー。
宇宙船内を思わせる建築空間、SF映画のような冷たく薄暗い光、闇を切り裂く逆光のライティングといえば、リドリー・スコット監督の十八番!この空間演出はブレードランナーのオマージュなのかも。
そういえばエイリアンの幼生って、展示会場にも吊るされてたデュシャン作の帽子掛けがモチーフだったんじゃ?と思えてきましたわ。
展示会場を出てからも、シュルレアリスムの存在があちこちに感じられるのです。
本展を観たことで、なおさら影響力の大きさを感じるようになったに違いありません。
芸術の枠をこえて社会に拡大したシュルレアリスム。
あえて「シュルレアリスム」と呼ぶ必要のないほど、すでに私たちの生活に深く浸透していることに気づく展覧会でした。
拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ
会期:2025年12月13日(土)~2026年3月8日 (日)
前期:12月13日(土)~1月25日(日)
後期:1月27日(火)~3月8日(日)
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
Web:https://nakka-art.jp/exhibition-post/surrealism-2025/
開場時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
年末年始12月30日(火)~1月1日(木・祝)
料金: 一般 1,800円 高大生 1,500円 小中生 500円


