【取材レポート第一弾】
特別展「志村ふくみ 百一寿 ー 夢の浮橋 ー」
細見美術館【京都市】

昨年秋に101歳を迎えた紬織の人間国宝、志村ふくみ氏。随筆家としても知られる染織作家です。
彼女の70年にわたる表現の軌跡を辿る展覧会が、京都・細見美術館で開催されています。
今回は速報レポートとして、会場の雰囲気を皆様にお伝えします。

夢のように儚い… 色で表現する源氏物語の世界

《夢の浮橋》2025年 個人蔵 通期展示

まずは、目を奪われるこの美しい色と織。透き通るような、白に薄紫と薄紅色のグラデーション。
この展覧会のために制作された新作の『夢の浮橋』です。

『夢の浮橋』は、ご存じ源氏物語の最終帖のタイトル。言葉ではなく、色と織で表現された儚い物語に思わずうっとりしてしまいます。

志村ふくみ氏は、70代半ばから生涯のテーマとして源氏物語連作を手がけてきた作家さんです。

志村ふくみ 百一寿

志村ふくみ氏近影

志村ふくみは31歳のとき、母の指導で植物染料と紬糸による織物を始めたといいます。

彼女のみずみずしい感性から生み出される豊かな彩り、文学や哲学を取り入れた独自の作風が高く評価され、1990年に紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。2015年には文化勲章を受章しました。

また著書『一色一生』で大佛次郎賞を受賞するなど、随筆家としても知られます。101歳にして新作を発表し続けるなど、その創作意欲はますます盛ん。
このポートレートのお姿なんか、ちょっと憧れちゃいますよね。

新作能『沖宮』の装束も

展示風景

源氏物語と並び、志村ふくみのもうひとつの大きなテーマである新作能・『沖宮』の装束も展示されています。

東日本大震災後、作家・石牟礼道子との縁で取り組んだ能装束。奥にみえる鮮やかな緋色の装束は、龍神への人柱になる主人公あやの舞衣『紅扇』です。

紅花で染めたという装束は、遠目でみても空間の中で際立っています。

子から孫へ 引き継がれていく志村ふくみのスピリット

茶室「古香庵」での会見風景

3月2日に行われた報道鑑賞会においては、ふだん一般公開していない茶室「古香庵」がこの日だけの特別な室礼でお目見えしました。

志村ふくみ氏の娘で、染織家であり随筆家の志村洋子氏と、その長男で染織ブランド・アトリエシムラ代表の昌司氏、染師で染色研究家の次男・宏氏らによるトークイベントが開催。

志村ふくみの技と精神は、娘へ、そして孫たちへと引き継がれていることを示されました。

展示風景

展示会場には美しい着物のほか、タペストリーや書もふんだん。
藍色のタペストリーのグラデーションはとても繊細で美麗なんです。ぜひ会場でご覧いただきたい作品です。

アートザウルスでは、近日中に第二弾レポートで展覧会の詳細をご紹介する予定。ぜひご期待ください。

また、細見美術館様のご厚意によりこの素敵な展覧会のご招待券を2組4名様にプレゼントできることになりました。下のボタンから応募ページに入り、奮ってご参加ください!