【取材レポート第一弾】
特別展「尾張徳川家の雛まつり」
徳川美術館【名古屋市】

徳川家といえば、言うまでもなく江戸幕府の将軍を頂点にいただく武家。中でも尾張・紀伊・水戸、いわゆる御三家の筆頭となるのが今回の主役となる尾張徳川家です。

季節はまもなく桃の節句、雛まつりの季節ですが、大名家が飾るお雛様とはいったいどんなお雛様だったのでしょう。

青空に映える美術館外観

興味津々でやってきたのは名古屋市東区、その名も「徳川町」に立地する徳川美術館。いままさに「尾張徳川家の雛まつり」が開催中なんです。
尾張徳川家に代々伝わってきた雛人形や雛道具が年に一度お披露目される展覧会は、今年で39回目。旧暦で雛まつりを祝う尾張徳川家の慣習に倣い、4月上旬まで開催されます。

今回のレポートは、速報として展覧会の雰囲気をざっとご紹介。近日公開の第二弾レポートでは、さらに詳しくお届けする予定となっています。

御三家筆頭の尾張徳川家に受け継がれてきた珠玉の品々

徳川美術館は、江戸幕府を開府した徳川家康の九男であり尾張徳川家の初代となる徳川義直が父から譲り受けた遺品を中核とし、尾張徳川家の歴史とともに受け継がれてきた珠玉の品々を現代に伝える美術館。国宝「源氏物語絵巻」や「初音の調度」をはじめ、1万件を越えるコレクションを誇ります。

美術館や隣接の徳川園の敷地は、尾張徳川家2代当主・光友の隠居所だった大曽根屋敷の跡。徳川園は当時の大名庭園様式に倣って池泉回遊式の日本庭園として整備され公開されています。

圧倒的オーラを放つ数々の名品コレクション

銀箔置白糸威具足 松平通温(尾張家3代綱誠19男)所用 江戸時代18世紀

美術館名品コレクションの展示室に足を踏み入れると、どーんと正面で迎えるのは葵の御紋と鎧兜。ニッポンの武家といったらやっぱりこのイメージしかないじゃありませんか。どうです、周囲を平伏さす圧倒的なオーラ!
名品コレクションでは、御三家筆頭ならではの刀剣や茶道具など思わず眼を惹き付けられる展示品がいっぱい。刀剣の特別展の際はすごい来客数だったとか…

ですが…今回見学の目的はいかつい武具や刀ではなく、女児の健やかな成長を願いを込めた限りなく優美なこちらでございます。

尾張徳川家3世代にわたる、壮大な雛段飾り

尾張徳川家三世代にわたる壮大な雛段飾り

本館展示室奥の壁一面を占める、壮大な雛段飾り。明治・大正・昭和にわたる尾張徳川家三世代の夫人たちの雛人形です。段の高さは2m、幅は約7mもあるんですって。
雛人形ももちろんですが、小さなお道具たちの精巧な作りが素晴らしいんです。

気品あふれる有職雛

内裏雛飾り 貞徳院矩姫(尾張徳川家14第慶勝夫人)所用 江戸時代19世紀

ひときわ目を惹く気品あふれる内裏雛は、もちろん庶民のお雛様ではありません。公家の装束を忠実に考証して作られた「有職雛」とよばれるお雛様。
今年は公家の正装である「束帯」を着用した男雛と、「十二単」を着用した女雛が展示されています。

お雛さまが着用する装束も、人形の大きさに合わせて文様が小さく織られているのがわかります。人形のために生地からオーダーなんて、なんとも余裕を感じますよね。

精巧な雛道具にも注目!

松竹梅唐草蒔絵雛道具 貞徳院矩姫(尾張徳川家14第慶勝夫人)所用 江戸時代19世紀

お雛様だけでなく、雛道具にも注目してほしいところ。サイズこそ小さいけど、実際のお輿入れ道具と全く遜色がないのです。琴や三味線も、細部まで実に精巧に作られています。

蒔絵がまた素晴らしい。金粉を地に密に蒔いて梨の果皮のような質感を出す、梨子地と称される非常に豪華な蒔絵技法です。将軍家、徳川御三家など特別な階級の人々しか使うことが許されない品だったそうです。

他にも見どころづくしの展覧会ですが、個々の詳しいレポートは追って第二弾でご紹介しますので乞うご期待!

登録有形文化財「蘇山荘」で味わえるハヤシライスと徳川園風きしめん

お雛様の観賞に出かけたら、尾張徳川家ゆかりの徳川園庭園もあわせてお楽しみください。
庭園の入口には、素敵なお庭を眺めながら優雅なひとときを過ごせる登録有形文化財「蘇山荘」があります。見学や散策のあいまに、お食事や休憩に立ち寄ってはいかがでしょう。

アートザウルスがいただいたのは画像の二品。従来の『名古屋ハヤシ』よりいっそうコクを高めた「ハヤシライス」はボリュームも十分!「徳川園風きしめん」は鰹節の香り高い格別なお品でした。
喫茶のご利用もOKで、ご自分でお茶を煎れて味わえるお茶と和菓子のセットがおすすめになってます。

「尾張徳川家の雛まつり」第二弾レポートは近日の公開予定。こちらもぜひお楽しみに!